077-572-5255根管治療
歯を抜かないためにできる最後の治療
「歯の神経を抜く」という言葉に強い痛みや治療への不安を感じる方はいらっしゃいませんか。
根管治療は、そのようなイメージを持たれがちな治療ですが、その本質は全く逆です。
根管治療の本当の目的は「重度のむし歯や感染から、かけがえのないご自身の歯を救い、保存する」ことにあります。
進行したむし歯による激しい痛みを取り除き、抜歯という事態を回避するための、非常に重要で精密な治療です。
適切な麻酔のもとで、丁寧な処置を行えば治療中の痛みはほとんどありません。
大切な歯を一本でも多く、一日でも長く残すために。
私たちは、精密な診断と丁寧な処置を通じて皆様の歯の未来を守るお手伝いをいたします。
根管治療とは
歯は外側からエナメル質、象牙質という硬い組織で覆われており、その内部には「歯髄（しずい）」と呼ばれる神経や血管が詰まった空洞があります。この歯髄が通っている、歯の根の中の細い管が「根管（こんかん）」です。
根管治療とは、この歯髄が深いむし歯や歯の亀裂、外傷などによって細菌に感染したり、死んでしまったりした場合に行う治療です。
感染した歯髄をきれいに取り除き、根管の内部を徹底的に洗浄・消毒した後、再感染を防ぐために薬剤を隙間なく充填（じゅうてん）します。
この一連の処置によって感染の広がりを防ぎ、歯の根の周囲の骨が溶けるといった、より深刻な事態を未然に防ぎます。
根管治療が必要となる主な原因
- 深いむし歯
むし歯が歯の内部深くまで進行し、歯髄にまで達してしまった場合 - 歯の亀裂や破折
歯にひびが入ったり、割れたりして、そこから細菌が歯髄に侵入した場合 - 外傷
歯を強くぶつけるなどして、歯髄が損傷を受けたり、死んでしまったりした場合 - 過去の治療の再発
一度治療した歯の詰め物や被せ物の下で、むし歯が再発し、歯髄に感染が及んだ場合
放置してしまうと、激しい痛みを引き起こすだけでなく、歯の根の先に膿の袋（根尖病巣）を作り、周囲の骨を溶かしてしまうことがあります。
できる限り歯を残すことが大切
抜歯をしてしまえば、痛みはすぐになくなります。
しかし、一本の歯を失うことによるお口全体への影響は決して小さくありません。
歯を失うことによる影響
- 噛む機能の低下
歯が一本なくなるだけで、食べ物を噛み砕く効率は大きく低下します - 隣の歯への影響
抜けた歯のスペースに隣の歯が倒れ込んできたり、噛み合う相手の歯が伸びてきたりして、全体の噛み合わせが乱れる原因となります - 審美的な問題
特に前歯を失った場合、見た目に大きな影響を及ぼします - 将来的な治療の負担
失った歯を補うためには、ブリッジや入れ歯、インプラントといった、さらなる治療が必要となります
根管治療によってご自身の歯を一本でも多く残すことは、お口全体の健康を長期的に維持し、将来の治療負担を軽減するために非常に大きな価値を持ちます。
当院の根管治療における考え方
根管治療の成功は、いかに精密に、そして徹底的に根管内の感染を取り除けるかにかかっています。
私たちは、歯の未来を左右するこの重要な治療に以下の点を重視して取り組んでいます。
成功の土台となる、精密な診査・診断
根管は、木の根のように複雑に枝分かれしていたり、湾曲していたりすることがあります。
治療を始める前に、レントゲン撮影などによって根管の数、長さ、形状を正確に把握することが、治療の成否を分ける第一歩です。
目に見えない部分だからこそ、精密な診査・診断を徹底します。
徹底した、感染源の除去
根管治療の核心は、細菌に汚染された歯髄や象牙質を根管の中から徹底的に除去することにあります。
ファイルと呼ばれる、極めて細い器具を用いて根管の隅々まで丁寧に清掃し、薬剤で繰り返し洗浄・消毒します。
この作業は非常に繊細で時間を要しますが、ここで妥協することは、再発のリスクに直結します。
歯の強度を保つ
感染を取り除くために、健康な歯質まで過剰に削ってしまうと歯そのものが脆くなり、将来的な破折のリスクが高まります。
私たちは感染した部分を的確に見極め、健康な歯質をできる限り保存する、丁寧な処置を心がけています。
再感染を防ぐ根管充填
根管の中をきれいにした後、再び細菌が入り込まないように隙間なく薬剤で封鎖（根管充填）します。
根管の先まで、緊密に薬剤を充填することで再感染のリスクを大幅に低減させることが可能です。
患者様の負担を和らげる
治療に対する不安や、痛みを軽減することも私たちの重要な責務です。
治療前には十分な時間をかけてご説明し、治療中は確実な麻酔によって痛みを徹底的に管理します。
また、治療中の唾液などが根管内に入るのを防ぎ、安全な環境を確保するためにラバーダム防湿というゴムのシートを使用することもあります。
根管治療の基本的な流れ
根管治療は歯の状態によって異なりますが、通常、数回の通院が必要となります。
| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1. 診査・診断と麻酔 | レントゲン撮影で根管の状態を確認し、治療計画を立てます。治療の際には十分な局所麻酔を行います。 |
| 2. 歯髄の除去と根管の清掃 | 歯に穴を開け、感染した歯髄を取り除きます。ファイルを用いて、根管の長さを測定し、根管内を丁寧に拡大・清掃します。 |
| 3. 根管の洗浄・消毒 | 薬剤を用いて、根管内を繰り返し洗浄し、無菌的な状態に近づけていきます。 |
| 4. 根管充填 | 根管内がきれいになったことを確認した後、再感染を防ぐための薬剤を、根の先まで隙間なく詰めます。 |
| 5. 土台の作製と被せ物の装着 | 根管治療が完了した歯は歯髄からの栄養供給がなくなるため、脆く、割れやすくなります。歯の強度を補うための土台（コア）を立て、歯全体を覆う被せ物（クラウン）を装着して治療は完了です。 |
この被せ物までをしっかりと行うことが、歯を長く守るために非常に重要です。
根管治療を終えた後の注意点
根管治療を終えた歯も決して万能ではありません。
もあります。
治療後も、日々の丁寧なセルフケアと歯科医院での定期的なメンテナンスを継続していくことが、歯の寿命を延ばす鍵となります。
「もう抜くしかない」と諦める前に、ぜひ一度、ご相談ください。皆様の大切な歯を残すための可能性を、私たちは追求します。